西欧鉄道旅行 2019 ④
4日目の9/5はいよいよユーレイルパスを使って鉄道で移動していく。
ユーレイルパスは使用日・月と"Journey details"だけを自分で記入し、残る使用開始手続きを駅窓口で行う必要がある。
旅行が進むうちに突発的な旅程の変更や単なる疲れなどによって"Journey details"の記入が面倒になってくるがこれは仕方がない。
ということでちょっとだけ時間に余裕をもってミラノ中央駅1Fのチケットカウンターへ。
自動発券機で整理券をもらって列に並んで待つ。朝方なので大した列ではなく2~3分で呼ばれた。
3か所の記入と1か所のスタンプを押してもらい2Fのホームへ。
乗るのはヨーロッパのどこにでもいそうな標準型の快速列車。
マルペンサ・エクスプレスと同じ型かと思ったら外観がちょっと違う。
座席は硬めだがシートピッチは広めで窮屈な印象はなかった。
10時過ぎにミラノを出て少しすると山間部へ入っていき湖沿いを走るなどしていく。
ちなみにこの電車、トイレが故障で閉鎖されていて終点まで2時間半の尿意耐久レースとなってしまった。
トイレのドアに貼ってあった故障通知の張り紙を読むインド系旅行客の絶望した顔は忘れられない。
湖の眺めにもそろそろ飽きてきた頃、スイスとの国境にほど近いティラーノに着く。
ここからはあの有名なベルニナ線が出ているので駅前にはレストランがいくつもあり、しかもどこも混んでいる。
国道(?)をベルニナ線に沿うような形で10分くらい歩いていくと割と空いたピザ屋にたどり着いたので、そこで昼食とした。
ピザかと思ったらなんか違う食べ物が出てきた。
大量のオリーブとトマト、チーズが効いていてなかなかおいしいがかなりのボリュームだった。歩くのもツラい。
しかしもうちょい歩いていくと小さな市街地があり、ちょっとした広場でベルニナ線とティラーノ聖母教会を絡めて撮ることができる。
乗り換え時間を活用して撮ったにしては激Vである。
ちなみにティラーノ駅からは片道徒歩20分くらいかかるのでそれなりの時間的余裕は必要だ。
次はベルニナ線の鈍行に乗車。
EC×2 + PC×6(?) というげきつよ電車牽引の客車列車。
さすがに観光路線なだけあり、車内清掃が行き届いていてトイレも故障していない。
発車後しばらくして車掌が回ってきてパスを見せるが、券本体の貼り付け位置が違うとかでひと悶着あった。
最終的には別にどうということもないらしく見逃してくれたが、この後ももう一度スイス国内で同じようなやり取りが発生することになる。しかしスイス以外では何も言われなかったのでかなり不思議な出来事だった。そもそも自宅に郵送されてきた段階からこの位置に貼ってあったぞ。
しかしさすがは観光路線である。車掌の物腰は穏やかで険悪な雰囲気にもならず、列車は山間を高度を上げつつ走っていく。
まあよくテレビとかで紹介されるような風景だ。
最初のうちは興奮するなり感激するなりしていたが、これが1時間以上も続けばさすがに飽きが来る。贅沢な話ではあるが。
あんまり高度を上げるので森林限界を越えて車窓からは草と石ころと牛だけが見えることになる。
これにも非常に感激したが、まあ30分もすれば飽きる。
飽きるとはいえティラーノからサン・モリッツまでの所要時間は2時間強とそこまで苦痛ではない。
そんなこんなでサン・モリッツに到着した。
てかめちゃくちゃ寒い。
ちょうど気持ち良いくらいの気温だったミラノやティラーノとは大違いで、おそらく5℃くらいだったかな。
9月だというのに大荷物からダウンコートを引っ張り出して着てしまった。
宿は"Hotel Languard"に取ったが、駅から丘をはるばる登った場所にあるので極寒のなか重い荷物を背負いつつ格闘するハメになってしまった(ちなみにこの街には丘の中腹まで上ることができる長い長い公共エスカレーターが存在するのでこれは完全な徒労である)。
窓口には大型犬と愛想の良いお姉さんがお出迎え。
部屋の鍵とともにサン・モリッツ地区のケーブルカー・ロープウェイ・バス・列車が乗り放題になるフリーパスを渡された。
これはサン・モリッツのホテルに2泊以上の滞在で貰えるパスで、のちにケーブルカーとロープウェイで使うことになるが非常に便利なサービスだった。
部屋に入るがそうじっとしているわけにもいかない。
すぐにホテル近くのレストランで夕食にありつく。
ビールが!! 美味い!!!
外が寒いだけに店内は暖房ガン効きでビールが進む進む。
片方のブランドは "Calanda" でもうひとつは忘れてしまった。
パスタは可もなく不可もなく。でもイタリアよりは美味い。
生ハムやらサラミやらのおつまみセットもなかなかのものだった。
満足した後はありえん長いエスカレーターでもって湖畔へ下り、駅でバルブ大会とした。
ミラノ中央駅のような改札ゲートはなく、夜ということで発着する列車も少ないため人目を気にせず撮影できる。
またサン・モリッツ駅にはいくつかの留置線があり様々なタイプの客車がいるので見ていて飽きない。
クソ寒いことを除けば非常に快適な時間だった。